2023-12-21
不動産を所有している方の判断能力が十分でないとされた場合、そのままでは不動産売却などをして財産を処分することができません。
そこで、成年後見制度により選ばれた成年後見人が本人の代理となり、不動産売却をおこなう方法があります。
この記事では、そもそも成年後見制度とはなにかや申し立てる手続き、後見人による不動産売却の方法をご説明します。
山梨県甲府市で成年後見人による不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。
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成年後見人とは、判断能力が低下した人の代理として法律行為をおこなう人のことです。
成年後見制度を利用すれば、成年後見人を選任して、本人の判断能力が低下したあとでも不動産売却が可能となります。
成年後見制度とは、認知症や事故、その他の病気などにより判断能力が低下した人を保護するための制度です。
成年後見制度には大きく分けて任意後見制度と法定後見制度の2種類があります。
それぞれの違いを解説します。
任意後見制度とは、判断能力が低下する前に本人が後見人となる人を選んで契約しておく制度です。
契約した時点では本人が自分で法律行為をおこなえるため、任意後見が開始されるのは本人の判断能力が低下したときになります。
自分で後見人となる人を選んで予約しておく制度だとイメージすると良いでしょう。
任意後見制度では、任意後見人を誰にするかだけでなく、どこまでの代理権を与えるかも本人が自由に決めて契約できます。
家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、任意後見人が不正を働かないかなどをチェックする仕組みもあります。
法定後見制度とは、本人の判断能力が低下した後に、家族などからの申し立てによって後見人が選任されるものです。
法定後見は本人の判断能力のレベルによって、補助・保佐・後見の3段階にわかれています。
判断能力が不十分だが本人と意思疎通がとれる場合は補助、判断能力が著しく不十分で財産管理に不安がある場合には保佐となります。
成年後見人は、本人の判断能力が欠けており、もっとも手厚いサポートが必要と判断された場合に選任されます。
成年後見人には、不動産を含めた本人の財産に関する法律行為や管理、本人がおこなった法律行為を取り消す権利などがあります。
ただし、多くの権利を有する成年後見人でも、自分の判断だけで勝手に本人の財産を処分することはできません。
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法律行為をおこなうための判断能力が不十分であると認められた場合、本人が不動産売却をおこなうことはできません。
そこで、本人に代わって不動産売却をするために法定後見人を立てる必要があります。
ここでは、成年後見制度を利用するための手続きを解説します。
任意後見人を選任するためには、本人が十分な判断能力を有している間に手続きしなければなりません。
本人が元気なうちに公証人役場で任意後見契約を結びます。
判断能力が低下したあと、家庭裁判所で改めて手続きをおこなうことで、任意後見が開始されます。
本人の判断能力が低下したあと、本人の所在地を管轄する家庭裁判所に申請して成年後見の申し立てをおこないます。
成年後見の申し立てができるのは、本人や配偶者、4親等以内の親族、市区町村長に限られています。
申し立てが受理されると、家庭裁判所は申請書類の内容や本人を取り巻く状況を総合的に確認したうえで、成年後見人を選任します。
申し立ての際には、成年後見人となる候補者を推薦できますが、希望どおりにいかないことも少なくありません。
本人の不利益にならないように、本人とは直接関係のない弁護士や司法書士などの専門家が選任されることも多いです。
推薦した方が成年後見人に選ばれなくても申請を取り下げることはできないため、注意が必要です。
成年後見を申し立てるためには、さまざまな書類の準備が必要です。
状況によって必要書類が異なるケースも珍しくないため、申し立てをする家庭裁判所に事前に確認しておくことが大切です。
一般的には、以下の書類が必要となります。
このほかにも本人や後見人候補者の戸籍謄本、住民票の写し、本人の健康状態の資料などが必要です。
家庭裁判所に申し立てる際には、手数料(印紙)800円、貢献登記手数料(印紙)2,600円、郵便切手3,200円が必要で、原則として申立人が負担します。
また、本人の判断能力について医師の鑑定が必要と家庭裁判所が判断した場合は、約10万円ほどの鑑定費用がかかります。
さらに、後見人が選任されたあとは、後見人の業務に対して報酬を支払います。
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成年後見人が不動産売却をおこなう方法は、売却しようとする不動産が自宅などの居住用不動産か、そうではない非居住用不動産かによって異なります。
ここでは、居住用不動産と非居住用不動産、それぞれの不動産売却の方法をご説明します。
居住用不動産と非居住用不動産の区別が難しいケースもあります。
居住用不動産とは、本人が現在居住している不動産のほかに、将来本人が居住する可能性のある不動産や過去居住していた不動産が該当することもあります。
住民票上の住所を現在または過去に置いていたことがあるかが判断方法のひとつです。
不動産が居住用か非居住用かによって売却の際の手続きが異なるため、ご注意ください。
居住用不動産を成年後見人が売却するためには、家庭裁判所からの許可が必要です。
本人が暮らしている、または暮らす可能性のある不動産を売却することは、本人にとっての不利益につながるおそれがあるため、しっかりと調査されるのです。
もし家庭裁判所の許可を得ずに成年後見人が不動産売却をおこなった場合、その売却は無効になり、成年後見人を解任されることもあり得ます。
家庭裁判所からの許可を得るためには、不動産売却のための申立書を提出する必要があります。
さらに、不動産の全部事項証明書や売買契約書の案など、不動産に関する書類などもあわせて提出します。
売却の必要性や本人や親族の意向、本人の帰宅先が確保されているか、売却代金は正当なものかなど、さまざまな状況から許可を出すか判断されます。
非居住用不動産を売却する場合は、家庭裁判所の許可は不要です。
しかし、本人の生活費の確保や本人の医療費の捻出など、本人の利益のためとなる正当な理由がなければいけません。
不当な理由で売却した場合や、極端に安い価格で売却した場合などは、成年後見人に課される身上配慮義務に違反していると指摘されるおそれがあります。
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成年後見人とはなにかや申し立て手続き方法、成年後見人による不動産売却の方法をご説明しました。
本人の判断能力が低下したあとに不動産売却をおこなうためには、成年後見人を立てなければいけないことがあります。
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